人材の能力開発と育成

基本的な考え方

「創造と挑戦を実践する人づくり」は、アマダグループの人材開発の基本理念です。お客さまとともに発展し、事業を通じた国際社会への貢献という経営理念を実践するためには、外部環境の変化に柔軟に対応して価値創造にチャレンジする姿勢や、課題解決に向けて考え行動する力が不可欠です。そして、さらなる成長を目指すためには、多様な人材が自ら成長し活躍することが重要であると考えています。
このような考えのもと、人材育成方針を「多様な人材の能力開発と自律的なキャリア形成支援」として、社員のキャリアステージやキャリア意向を踏まえた成長機会の提供や教育研修を行っています。人材育成の重要課題を「ビジネスリーダー」、「先端・専門分野における技術人材」、「グローバル人材」とし、あるべき姿を目指した育成強化に取り組んでいます。

図版:人材開発の基本理念、「創造と挑戦を実践する人づくり」を説明する図。多様な人材の能力開発と自律的なキャリア形成支援のために、ビジネスリーダー育成、技術人材育成、グローバル人材育成の3つを重要課題として取り組んでいます。

目標と実績

指標FY2023実績FY2025目標 FY2030目標
1人あたり教育研修時間47.7時間(グループ国内)40時間(グループ国内)45時間(グループ国内)

取り組み

社員の成長に合わせた階層別研修や職種別・キャリア別教育など、多様な人材が自ら成長し活躍するための様々な教育研修機会を提供しています。

教育研修体系
図版:教育研修体系図。「創造と挑戦を実践する人づくり」という理念のもと、社員の成長に合わせて、人材育成重点課題である、ビジネスリーダー育成、技術人材育成、グローバル人材育成のための各研修や教育、支援を行っています。

ビジネスリーダー育成

役職者を対象とした研修はもちろん、若手・中堅層といった次世代人材へ段階的・継続的に教育を行い、将来リーダーシップを発揮することができるよう、サポートしています。そのほか、選抜型のリーダー育成プログラムや早期マネジメント経験の提供など、多角的な取り組みを通して、社員の能力開発と自律的なキャリア形成を促進しています。

階層別研修

新入社員研修では、入社後半年間をかけて商品や技術の知識やビジネススキルなど、業務に必須となる基礎を身に付けます。その後も若手層、中堅層などの階層別に教育研修を行い、成長段階に応じた必要スキルの習得を目指すとともに、社員自らのキャリア形成を促しています。

役職者研修

新任の役職者を中心に、アマダグループの役職者として共通で必要となる知識・規程の習得から始め、役職ごとに求められる能力・役割を定着・促進させる研修体系を通して、マネージャーとして確実なステップアップを図ることができる環境を整備しています。

次世代人材の育成「ENGINEプログラム」

「ENGINEプログラム」は、入社後の10年間程度で若手の能力開発と次世代人材の育成を行うための体系的な育成施策です。入社後3年間は、先輩社員がブラザー・シスターとなり身近で育成支援を行う制度をはじめ、定期的なキャリア面談、階層別・職種別のOFF-JTなどを通して、若手社員の能力開発を促すとともに、伸び悩みのサポートやモチベーションの維持などを図っています。

写真:次世代人材の育成「ENGINEプログラムを受けている社員の様子

女性リーダー育成プログラム

将来リーダーとしての活躍が期待される女性社員を対象とした選抜型の「女性リーダー育成プログラム」を実施しています。マネジメントスキルやコミュニケーションスキルを磨く集合研修と、現場で実践するリーダートレーニングを組み合わせ、約1年にわたり継続的な育成を図っています。また、受講生の上司を対象とした研修も合わせて実施することで、育成フォロー体制も構築しています。

技術人材育成

アマダグループは「中期経営計画2025」において、お客さまの課題と社会課題を新たな技術で解決することを目指しています。その原動力となる人材の技術的知識やエンジニアリング力を高めることは、当社グループの重要な課題です。2024年8月に新設するアマダ・テクニカルエデュケーションセンター(ATEC)の活用を軸として、さまざまな技術人材の育成を強化し、「アマダグループ全社員のエンジニア化」を推進します。

セールスエンジニア教育

多様化するお客さまのニーズに応じて商品や加工が複雑化・高度化するに従い、営業時のエンジニアリング力強化が不可欠となっています。セールスエンジニアは、お客さまの潜在的な課題を導き出し、技術的な視点から工場全体で最適な解決策を提案する力を養う必要があります。そこで、必要な知識やスキルを段階的・包括的に身に付けられる研修カリキュラムを開発し、順次導入しています。

サービスエンジニア教育

サービスエンジニアは、迅速かつ的確なアフターサービスが求められます。多様な商品知識と高度なスキルが要求されるため、実践的なプログラムを通して入社直後から着実なスキルアップを図る教育システムを構築しています。あわせて、高水準の教育を安定して提供できる体制の整備のため、トレーナー人材のスキル向上や教育方法の統一などを進めています。

開発系エンジニア教育

開発系エンジニアは、専門性を深めるとともに、開発分野に留まらない幅広い知識が必要とされます。そのため、育成の指針となるスキルマップとそれに応じた資格や研修プログラムを設定し、社員一人ひとりが自主的に能力開発を図ることができる環境を提供しています。また、社員が新規の開発テーマを提案できる制度や、若手技術者が研究開発の成果を発表する場を設けるなど、次世代人材の育成を図る仕組みを整えています。

技術教育センターの新設

2024年9月、アマダの伊勢原本社内に、技術教育センター「アマダ・テクニカルエデュケーションセンター(ATEC)」が新たにオープンします。ATECのコンセプトは「お客さま工場の未来を描ける次世代型エンジニアの教育の場」であり、旧型のマシンから最新のシステムマシンまでを設置し、実機を用いたエンジニア教育の充実を図ります。加えて、製造DXを学ぶエリアやNC、空圧など基礎的技術を学ぶシミュレータ室などを備え、海外ともつながることのできる総合トレーニング施設です。

グローバル人材育成

「中期経営計画2025」で成長戦略の1つに掲げるグローバル市場の拡大を実現するため、世界で活躍する人材の育成、配置が重要課題となっています。そこで、「グローバル人材登録制度」を設け、海外赴任・海外関連業務を希望する社員に様々な教育や研修機会を提供しています。

海外研修制度

将来の赴任を想定して若手社員を海外現地法人に1年間派遣する短期の実務研修です。若手社員が早期にグローバルビジネスに触れる機会として毎年実施しています。現地での実務などを通じて、現地法人の事業活動や市場動向、お客さま対応を学びます。

海外研修制度参加者の声

アマダ 生産管理部 男性社員(20代)
アマダアメリカに派遣
日本と異なる環境下で工場運営や考え方の違いを知ることで、今後、製造において日本本社と現地法人との連携や調整を担いたいと思い、海外研修に挑戦しました。アメリカでは工場全体のヒト、モノ、カネの流れを学んでおり、製造の利益目標達成のために、課題の抽出や対応策を立案する能力を身に付けることを目標に、日々の研修に取り組んでいます。
写真:海外研修中の風景

語学学習支援

グローバル市場において円滑に業務を進めるためには、外国語でのコミュニケーションが必要となります。そこで、海外業務に必要となる幅広い外国語を習得するための「語学学習支援制度」を設け、アマダグループのグローバル成長を支える人材を継続的に育成しています。