生物多様性

基本的な考え方

アマダグループは、2010年から環境方針に「生物多様性の保全・再生への取り組み」を取り入れて実施してきました。生物多様性の保全は、地域ごとに生態系の状態を知ることが重要です。アマダグループでは、2015年から「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」による土地利用評価ツールを用いて国内各事業所の生物多様性について調査を行い、各拠点に合わせた取り組みを行っています。

グリーンインフラの取り組み

アマダグループでは、国土交通省が推進する「グリーンインフラ」の取り組みを進めています。グリーンインフラとは、自然環境が有する多彩な機能を活用し、持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくりを進める取り組みのことです。
伊勢原事業所では2021年11月に、AMADA FORUM南側庭園外構に「グリーンインフラ」を導入。雨水を蓄えて浄化しながら地面にゆっくりと浸透させる透水性の植栽帯「レインガーデン」としてリニューアルしました。豪雨時の排水管の負荷軽減や、歩道や車道への浸水防止、水質改善などの効果が期待できるほか、白砂利や石組み、植物などで庭園としての景観を併せ持っています。
また、2022年春には、富士宮事業所ウエストブロック第3工場の西側にも「レインガーデン」を導入。豪雨時には雨水の流出抑制や水質を浄化し、土壌に浸透させる効果があり、通常時には、草原生態系の生物保全緑地となります。

写真:伊勢原事業所の透水性の植栽帯レインガーデン
伊勢原事業所のレインガーデン
富士宮事業所の「レインガーデン」が「第3回グリーンインフラ大賞」で優秀賞を受賞
国や民間企業・学術団体などで構成される「グリーンインフラ官民連携プラットフォーム」による「第3回グリーンインフラ大賞」において、「防災・減災部門」で富士宮事業所のレインガーデンの取り組みが優秀賞に選出されました。これはプラットフォーム会員(約1,600社・団体)による審査投票により選出されたものです。
写真:第3回げりーんインフラ大賞を受賞した伊勢原事業所の透水性の植栽帯レインガーデン

各拠点における生物多様性保全の取り組み

富士宮事業所

アマダグループは、生物多様性の保全に資する「アマダの森づくり」を推進しています。
富士宮事業所の敷地の約60%、13万坪程度が森林として残っています。敷地内では約1,100種類の動植物が確認されています。第2工場前にある森の再整備を実施したところ、コナラの木やエゴノキなどの樹木、さらには環境省および静岡県で絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されている「クマガイソウ」などが確認されました。
なお森林のうち約80%が人工林の「ヒノキ林」であり、植林からすでに50年以上経っていることから、今後は積極的に整備を行い、動植物の豊かな森へと変貌させていく計画です。

写真:富士宮事業所周囲の森と富士山
富士宮事業所の森(静岡県富士宮市)
写真:富士事業所で確認されたエビネ、二ホンイタチ、ホソミオツネントンボ、オオルリ(幼鳥)など生き物
富士宮事業所で確認された生き物(一部)

伊勢原事業所

伊勢原事業所の本社棟近くにある屋上庭園は、約45年前につくられたもので、最初は5、6本しかなかった木が今では数十本にまで増えました。庭園内に設置した巣箱にはシジュウカラがいるのも確認でき、数種類の鳥がこの屋上庭園に姿を見せてくれます。
野鳥や蝶などが好む木を中心にバランスよく植樹し、四季折々に咲く花を楽しめる空間となっています。

写真:伊勢原事業所の本社棟近くにある屋上庭園

土岐事業所

土岐事業所のビオトープは、敷地内の湧き水を有効利用し、植栽への灌水等に使える溜め池として設計しました。面積約200m²、水量約100tのこの池は、上から見るとハートの形に見えるのが特徴です。美濃鞍馬と呼ばれる地元で産出された御影石を周囲に使用しています。
「水」と「緑」と「石」が調和された社員の安らぎの場所となっており、ときにはキツネがやってくることもあります。

写真:土岐事業所のビオトープ写真:土岐事業所のビオトープに現れるキツネ

小野工場

小野工場(兵庫県小野市)では、2022年3月末に小野市(道路河川課)より「フジバカマ」(加古川の固有種)を株分けしていただき、工場敷地内で栽培に取り組みました。2023年3月に発芽した「フジバカマ」を小野市(道路河川課)に寄贈しました。

写真:小野工場に小野市から株分けされた「フジバカマ」を工場敷地内で栽培し発芽したものを寄贈する様子
小野市にフジバカマを寄贈