中期経営計画2030
アマダグループは、総合加工機械のグローバルメーカーとして、これまで多くのお客さまのモノづくりの発展を支えてきました。そして、長期ビジョン「生産革新と先端技術でモノづくりの課題を競争力に変える」の実現に向けて、新たな成長ステージへの転換を進めています。2026年5月に発表した「中期経営計画2030」では、構造改革と成長戦略を両輪で推進し、事業ポートフォリオの最適化と収益基盤の強化を実現することで、アマダ本来の「稼ぐ力」の更なる強化とともに、中長期にわたり安定的な利益成長と資本効率の改善を実現し、株主をはじめとするステークホルダーの皆さまへの価値提供を一層強化していきます。
前中計の成果と振り返り
前中期経営計画では、M&Aの実行により事業領域を拡大し、売上収益は目標を達成しました。加えて、Mobilityや半導体といった成長分野への参入基盤の確立や、グローバルでの顧客接点・技術力の強化など、今後の成長に向けた土台を構築しました。
一方で、価格転嫁の遅れや資材費・人件費の高騰などにより、営業利益率やROEは未達となりました。
今後は、拡大した事業基盤を活かしながら、「稼ぐ力」の強化を最重要課題として、構造改革によるコスト最適化や組織変革による収益責任の明確化、ならびに「モノ×コト売り」の推進を通じて収益構造の高度化に取り組みます。
長期ビジョンと中期経営計画の関係性・ロードマップ
アマダグループは、長期ビジョンの実現に向けた確かな起点として、「中期経営計画2030」を位置付けています。
本計画は、「変革を原動力に、新たな成長ステージへ」をスローガンに、大きく2つのフェーズに分けて推進していきます。
2026〜2027年度の「変革・成長期」では、構造改革や組織変革、DX推進などにより経営基盤を強化し、その後の2028〜2030年度の「成長加速期」では、事業ポートフォリオ経営の推進と成長市場での需要獲得を通じて、持続的な成長を実現します。
変革・成長期
構造改革を軸に経営基盤の強化を進めます。
具体的には、販売・サービス・生産拠点の最適化や再編を通じた事業体制の見直しに加え、ビジネスユニット制の導入による収益責任の明確化を図ります。さらに、人的資本の強化やDXの推進により、インテリジェントな経営基盤を構築し、次の成長に向けた土台を整えます。
成長加速期
「変革・成長期」で強化した経営基盤を活かし、事業成長の加速を図ります。
既存および新規市場への付加価値提案の強化や、「モノ×コト売り」の推進による収益構造の高度化に加え、M&Aや他社との協業も活用しながら市場創造を進め、持続的な成長の実現を目指します。
指標・KPI
2030年度に向けて、売上収益は5,200億円、営業利益は730億円、ROEは10%以上を目標として設定しています。
これらの達成に向けて、収益性および資本効率の改善を重視した経営を推進し、収益構造の高度化と「稼ぐ力」の強化により、中長期的な企業価値の向上を目指します。
ビジネスユニット(BU)制の導入
顧客課題解決型の事業体制への転換を目的に、「中期経営計画2030」では新たにビジネスユニット(BU)制を導入します。
近年、モノづくり現場では人手不足や技術の高度化などにより顧客課題が複雑化しており、こうした変化に機動的に対応するため、本中期経営計画では事業再編を行いました。
従来は、事業区分ごとの組織運営を中心としていましたが、本計画では、顧客や市場を起点とした事業区分へ再編し、各BUが事業戦略の立案から設計・開発、製造、販売・サービスまで、一体となって課題解決に取り組む体制へと転換します。
これにより、各BUに戦略立案から実行までの責任と権限を明確に付与し、収益責任の可視化と意思決定の迅速化を図ります。また、顧客ごとのニーズに即した価値提供を強化することで、競争力の向上と収益性の改善を実現します。
このような体制改革を通じて、「モノ売り」から「モノ×コト売り」への転換を加速し、「稼ぐ力」の強化と収益構造の高度化につなげていきます。
6つの成長戦略
中期経営計画の実現に向け、以下の6つの成長戦略を柱として推進します。
-
- 構造改革(稼ぐ力の強化)
-
- 生産/営業/サービス拠点の最適化・原価・販管費改善
- BU制の導入により収益責任の明確化
-
- 経営基盤の強化
-
- 監査等委員会設置会社への移行を実施
- DXによるインテリジェントな経営基盤の構築
-
- 事業ポートフォリオ経営
-
- BUごとに位置づけ・期待役割を明確化
- BUの位置づけに応じた経営資源(ヒト・モノ・カネ)の適切な配分
-
- 事業成長を支える新商品展開
-
- マーケティング活動の深化による地域・製品ライン・新製品の最適化
- 各BUの技術資産を横断した新市場への参入
-
- 「モノ売り」から「モノ×コト売り」への変革
-
- 「モノ売り」から「モノ売り×コト売り」への変革による収益構造の転換
-
- 新規事業の創出・強化
-
- M&Aの活用や他社との協業により、非連続な成長を加速
サステナビリティ戦略
アマダグループは、環境負荷の低減や人手不足といった社会課題への対応を、持続的な成長の機会と捉えています。
省エネ性能の高い製品によるCO₂排出削減への貢献に加え、自動化技術の提供を通じて生産性向上と省人化を支援しています。
また、これらの価値提供を支える基盤として人的資本の強化を進め、技術人材の育成や教育機能の拡充により、複雑化する顧客課題に対応できる高度なサービス・ソリューションの提供を目指します。
今後も、技術と人材の両面から社会課題の解決に貢献し、顧客の競争力向上と持続的な成長の両立を図っていきます。
財務戦略
「稼ぐ力」の強化と資本・資産の最適化を両輪とし、成長投資と株主還元のバランスを重視した財務戦略を推進します。資本効率の向上を重要指標と位置付け、ROE10%以上の実現に向けた取り組みを進めるとともに、事業ポートフォリオの最適化を通じて持続的な利益成長を実現していきます。
投資計画
本中期経営計画では、5年間で創出する営業キャッシュ・フロー約3,500億円に加え、バランスシート改革による資金を活用し、成長投資と株主還元に配分します。
成長投資は約1,500億円以上を計画し、成長領域への設備投資やM&A、研究開発、生産設備の高度化や事業運営のデジタル化(DX)による基盤強化に充てるほか、既存事業の更新投資も実施します。
株主還元は約2,500億円以上を見込み、配当と自己株式取得を組み合わせて実施します。
これらをバランスよく配分することで、持続的な成長と企業価値の最大化を目指します。
株主還元方針
株主還元については、安定的かつ継続的な配当を基本とし、機動的な自己株式取得を組み合わせながら実施します。
連結配当性向50%を目安とし、総還元性向120%程度(5年間累計)を意識した積極的な還元を行うとともに、適正な資本水準を踏まえた自己株式取得を柔軟に実施していきます。
成長投資とのバランスを図りながら、資本効率の向上と株主価値の最大化を目指します。
