第35回優秀板金製品技能フェア

学生作品の部 全19作品

学生502

優秀賞(学生)

PON☘POKO茶釜

東京都立多摩職業能力開発センター (東京都)

  • サイズ: W550 × D520 × H350 mm

  • 精度: ± 0.5 mm

  • プログラム時間: - 分

  • 加工時間: 1800 分/個

  • 加工数量: 1 個

  • 材質: SPHC 真鍮(C2600)銅(C1100) ステンレス(SUS304)

  • 板厚: 軟鋼3.2 真鍮2 銅1.5 SUS2 mm

  • 作品種類: -

加工工程

  • 機構の考案

  • 展開

  • シャーリング加工

  • 溶接

  • 打ち出し加工

  • 表面仕上げ

  • 曲げ

アピールポイント

当初、茶釜本体の溶接ビードを削り、角を出し、研磨して、溶接ビードの乱れや失敗を誤魔化す予定で製作していた。しかし、鉄製は修了間近の生徒が溶接を担当し、ステンレス製の茶釜の溶接は、TIG溶接歴1カ月程度の生徒が担当した結果、削るのが勿体ないと思うほど、とてもきれいな溶接ビードだったため、予定を変更してあえてビードを残した。そのビードの美しさがより際立つように、ステンレスの茶釜は、ビードにバフ研磨をすることで輝かせ、鉄製の茶釜は、ビードに真鍮を付着させて色合い、風合いを足した。

茶釜本体を展開した結果、台形パーツ5種類40パーツになり、シャーリングで切断するとパーツごとに切断寸法に誤差が生じた。当初1mm程度は検査して合格品としていたがその誤差が溶接で組立てる際に大きなズレとなり、外

  • 作品テーマを選んだ理由: 設計や展開、溶接技能等で高い知識・技能が必要な壺状の作品を製作すると決め、普通に壺状の作品を製作しても、生徒が製作を楽しめないと思い、日本昔話に出てくるタヌキが茶釜に化ける「ぶんぶく茶釜」にした。

  • 使用材料を決めた理由: それぞれの金属の加工性や溶接性を、実際の加工を通して生徒に理解させるため、複数の金属を使用し、2つの作品の対比が効くように色合いも考慮して作品の構成をした。

  • 最も重点を置いた点や箇所: ただ綺麗に2つの茶釜を作るだけでは面白味がないので、遊び心で耳や尻尾を付けることで、昔話に出てくるタヌキが茶釜に化ける「ぶんぶく茶釜」を表現し、大小の風合いが違う茶釜を製作し親子のタヌキを表現した。

  • 最も苦労した点や箇所: 当初、茶釜3体での構成だったが規定作品寸法を超えるため、2体で再構成し見る人にタヌキが化けている「ぶんぶく茶釜」を連想できるようにしつつ、作品が不細工にならない程度に「タヌキ」感をさりげなく表現した。

  • 製作図面から実際に加工してみて気づいた点: 紙で茶釜を展開し、原寸大の模型を作成してから、作品を製作したが実際の加工の際、材料の板厚が紙に比べ大きくなったことによりズレが生じ組立が困難になり、溶接の施工方法を変更して対応したこと。