第36回優秀板金製品技能フェア
学生作品の部 全23作品
学生516
奨励賞(学生)
3元系状態図の立体幻想
三重大学 (三重県)
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・サイズ: W460 × D380 × H480 mm
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・精度: ± 0.01 mm
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・プログラム時間: 200 分
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・加工時間: 60 分/個
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・加工数量: 1 個
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・材質: SUS304
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・板厚: 1.0 mm
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・作品種類: オリジナル品
加工工程
機構の考案
2D/3D設計
CAD/CAM
レーザ加工
曲げ
組立
アピールポイント
一般的によく知られている状態図は、2元系状態図という2種類の元素の状態を平面的に表したものですが、3種類の元素の場合は3元系状態図となり,それが立体的で美しい構造であることをまず知って頂きたいです。
2次元の紙面上では、その立体構造は非常に理解しにくいので、3次元的に造形することにしました。
Bi-Pb-Sn系の状態図が最もシンプルで作品を見る方々にも理解しやすいと考え、この状態図を採用しました。
また、薄板の積層構造で状態図を製作したことで、透けているように見えたり、立体的であるように見えたりと、積層構造を活かして幻想的に見えるように工夫したので,ぜひ様々な角度からこの作品を見て頂きたいです。
この作品を通して様々な金属材料に興味や関心を持っていただけると幸いです。
作品テーマを選んだ理由: 製作者である私たち2人は、大学院で金属材料に関する研究を日々進めていく上で参考にしている3元系状態図を立体的に造形し、作品を見る方々にも金属材料学の奥深さを感じてほしいと思ったためです。
使用材料を決めた理由: 教員から指定された材料が、板厚1mmのSUS304であったためです。ステンレスはさびにくく、銀色で見栄えも良さそうでちょうど良かったと思います。
最も重点を置いた点や箇所: 作品を見る方々の見る角度によって、立体的にも透けているようにも見えるような構造にしたことです。積層構造を採用したことで、どの角度から見ても見栄えが良く、興味を持ってもらえるように仕上げました。
最も苦労した点や箇所: 支柱を三角形の頂点側に集め、それぞれの板の自重によるたわみを抑えた構造にすることです。共融点のE1、E2、E3点の文字の板に、補強板の役目も持たせることで、板の自重によるたわみを抑えました。
製作図面から実際に加工してみて気づいた点: 共融点を表すE1、E2、E3点の各パーツや各元素名を表すパーツを製作する際、曲げによる加工を用いましたが、パーツ同志の干渉を設計時からしっかりと考慮することが重要だと感じました。