受賞作品のご紹介

第29回受賞作品

学生作品の部

金賞

東京都立工芸高等学校 [ 東京都 ]

URL http://www.kogei-h.metro.tokyo.jp/

WORKER

●材質:Mild Steel 他 ●板厚:1.5~10.0mm

前列左
石本 雅登志 氏

前列中央
[ マシンクラフト科 担当教諭 ]
三好 玄也 氏

前列右
佐藤 啓龍 氏

後列左
猪股 佳子 氏

後列中央左
赤木 智子 氏

後列中央右
谷畑 怜那 氏

後列右
田中 麻祐子 氏

今回は学生作品の部金賞という大変名誉ある賞を頂きとても光栄に思います。
クラス全員で悩み、協力し合いながら完成させた作品なので、このような賞を受賞できたことを大変嬉しく思います。

この作品を作ろうと思ったきっかけは、SLを制作するうえで、それを作っている作業者、労働者が必ず存在しており、そこにスポットを当てた作品にしたいと思ったからです。そこで、どのような表現をするのが効果的で、わかりやすくみえるかをクラス内で討議し、完成したSLを置くのではなく、あえて制作途中のSLにすることで自然に労働者を配置することができるのではないかと決定し、このような作品を作ることになりました。

この作品は制作途中のSLを表現しているので、どこまでをつくり、どこを制作中にすれば良いか熟慮を重ねました。穴があいているところを作ったり、煙突の部分を吊っていたり等、意見を出し合いSLの製造過程を決めました。しかし、考えることはできてもそれをどうやって制作するかなど課題が多く、例えばSL本体に穴をあけたりする箇所は円筒形から板材を用いた多角形にすることにしました。また、制作陣のこだわりで、SL作るなら車軸が本物通りに動くようにしようと、見本となる模型を買い、車軸部の動きをよく観察し、縮小版を制作しましたが、きれいに動くようにするのはとても難しく、設計、試作を何度も繰り返し、動かせるようにしました。加えて人形とSLのサイズ差をできるだけ再現できるよう、比計算でちょうど良い大きさにするのもとても苦労しました。この作品は今まで先輩方があまりしてこなかったことにチャレンジすることが多かったので、制作において簡単だったところは一つもなく、クラス全員が悩み協力し合い完成させました。

今回このWORKERを作ることで、新たなことにチャレンジすることの難しさ、それを乗り越える楽しさ、乗り越えたときの達成感等、一人では味わえない協同制作ならではの連帯感。また、板材加工の難しさや板材による作品の可能性の広がりを感じ、金属加工の奥深さや等、様々なことを学びました。

今はクラスの全員が制作にかかわっているわけではないですが、今回の作品制作で学んだことは様々な場面で役立つと思います。これからも、制作だけにかかわらず、それぞれの分野で技術を高めていきこれからの未来をつくっていきたいです。

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