左
[ メタルクラフト科 講師 ]
加藤 宏哉 氏

右
[ メタルクラフト科 ]
柴原 浩希 氏

　この製品で一番苦労したのは、「作品のテーマ」を決める作業です。「なかなか、ここは面白いなー」と感じてもらえる部分を多く取り入れたいと考えていました。時計の裏側にある「隠し引出し」、扉のリベットの多さを感じさせなくするための蔓植物が手摺に絡まっている風パーツ、またそのデザインに合わせた脚部（この脚部も本体のシンプル形状をカバーするアイデアです）、扉の取っ手のねじり加工等々、工夫やこだわりは沢山あります。
　生徒たちにとっては、本格的に精密板金加工の勉強をスタートして間もなくの課題製作です。設計作業（製品デザインから部品分割や板金展開）、CAD/CAM、各種NC工作機械の操作、最後は塗装まで、やらなければならない要素がたくさんあるため、学校の授業時間の制約もあり、期間内に完成させることに苦労しました。
　デザインのおもしろさと、実用性のある製品であったこと、そして、生徒たちがこだわりを持って製作したことが見る方々に伝わり、高い評価をいただくことにつながったと思います。
　生徒たちがやってきた実習作業が専門家の皆さまに認めていただけたということを誇りとし、今後も重要な訓練の一環として優秀板金製品技能フェアに参加させていただきたいと思っています。

　※三重県立津高等技術学校　担当教諭　加藤宏哉さんのコメント。