ベテラン×若手座談会
-

-
成田 真庸技術開発本部
ソリューション技術部門 部門長
1987年入社。ソフトウエア開発を経て、マシンを制御する歴代自社製システム(制御装置)のソフトウエア開発に従事。2026年度より、生産管理やCAD/CAMソフトを含むソフトウエア全般を統括。 -

-
由井 良明RHQ統括本部
リージョン戦略企画部 部長
1990年入社。国内営業、営業所長、支店長を歴任ののち、本社ベンディング商品推進部長として商品戦略に従事。2026年度より、リージョン戦略企画部にて地域軸を統括。 -

-
松本 哲典加工技術部門
ラボ加工技術部 加工技術開発
2011年入社以来、お客さまへの提案や実証加工を行う加工技術職。2022年アメリカ現地法人へ社内留学ののち、現在はアマダ・グローバルイノベーションセンターのラボ担当。 -

-
武藤 彩華ICT部門
AI・DX戦略推進部 CoE
2019年入社。アマダとお客さまの接点となるサービスの販促活動や管理を行う。IoTサポートサービス「V-factory」の促進、デジタルサービスや会員サイトの企画などを担当。 -

-
岸井 舜弥国内営業部門 東日本支店
水戸営業所 レーザサービス
2018年入社。本社でのサービス支援やIoTサービス業務を経て、2022年より念願の現地サービスに配属。現在つくばサービスセンター所属レーザサービス担当。
アマダ社員のDNA
「お客さまとともに発展する」
――アマダの理念に「お客さまとともに発展する」があります。お客さまと直接対話を重ねながらともに課題を乗り越え発展していくというこの理念は、アマダ社員に深く刻まれたDNAですが、みなさんが業務のなかでこの理念を実感したエピソードはありますか?
成田:開発に携わる中でずっと意識してきたことではありますが、なかでも印象に残っているのは制御装置のセキュリティソフトの開発です。2005年ごろ、お客さまのマシンがしょっちゅう止まることがありました。お客さま先に1週間くらい張り付いて究明したところ、原因はウイルスだったんです。当時、セキュリティの確保はお客さまの責任だという考え方が一般的でしたが、「これはメーカーがなんとかしなくてはならない」とずっと頭に引っ掛かっていました。2009年ごろに許可リスト方式のソフトウエアに出合い、「これだ」と直感。開発を重ね、2011年から板金加工機械のほぼすべての制御装置に許可リスト方式のセキュリティソフトを標準搭載しました。新聞やTVの取材も来たくらい、当時は先進的な取り組みだったんです。まさに「お客さまの課題を解決したい」という想いから開発につながった出来事でした。
松本:最近で言うと、ベンディングマシン(曲げ加工機)の機能開発事例があります。お客さまから「複雑形状の加工がしにくい」という声をいただいていました。それを解決するためにワークを突き当てるバックゲージの形状を従来から大きく変えた、「Y3軸バックゲージ」の開発に携わりました。その後私はアメリカに留学し、現地の展示会でそのマシンのお披露目に立ち会ったのですが、お客さまがジーっと興味を持ってご覧になる姿を見て、「すごいものをつくれたんだな」とうれしくなりました。導入いただいたお客さまからもご好評いただいています。
岸井:お客さまの現場では、ベテラン作業者が引退し、若い方や外国の方がマシンを使うことが多くなっています。昔のレーザマシンはレーザを照射するノズルや保護ガラスのメンテナンスを手作業で行う必要がありますが、何十年もマシンを使っているようなベテランでないと難しい。最新のマシンではそれらを監視したり自動で調整する機能が付いているので、ベテランの方でなくとも安心です。お客さまの労働環境の変化に合わせて技術が「ともに発展してきた」形だと思います。
武藤:もともと私は文系で、モノづくりとはまったく無縁だったのですが、欧州に留学した際「日本のモノづくりはすごい」と世界的に思われていることを知りました。そこからモノづくりに興味をもってアマダを知ったのですが、いい意味で「泥臭く」お客さまと一緒にやっている、そこにひかれました。入社後から現在まで、管理部門にいるため直接お客さまと接する機会は多くありません。しかし、窓口業務を通じて入社前に感じていた「お客さまと一緒にやっていく」を実感することがあります。IoTサービス「V-factory」の導入について相談に応じているとき、最初は気軽に検討されていたお客さまがだんだん「本気で生産性を改善したい」と前のめりになってくる。深い質問がきたら他部署と連携しながら、「こういうことできる?」というニーズにお応えしています。こういったことを通じて、お客さまの生産体制を改善する一助になれているのではないかと思っています。
由井:私は、長年一線でお客さまと接しながら営業活動をしてきました。そのなかで、お客さまの事業を継続、発展させていくために、現況を見ながら「今投資するべきと判断、決断を迫る時」「今は投資を留めなければならない時」、様々なシーンを経験しました。特に強く推し進めてお客さまが投資を決断され、その後社業が大きく飛躍する起点となった案件は、今でもよく覚えています。数年後そのお客さまとお会いし、「あの時の決断は正しかったと思う。ありがとう」とお言葉をちょうだいした時は嬉しかったですね。
成田:お客さまの発展があってこそ、私たちの発展もあります。お客さまを全力で応援して業界全体を盛り上げていきたい。そういう思いをみんなが強く持っていますよね。
お客さまの立場で
本質を見極める
――業務の中で大切にしていることはありますか?
成田:「ものの本質をちゃんと見極めよう」と常々考えていて、周りにもそう伝えています。お客さまから要望があったとき、必ず「なぜ」なのか理由を聞きましょう、と。本質を見誤ると、まるっきり見当違いのものをつくってしまう。「なぜ」を自分で咀嚼して、さらにお客さまの立場になって考える。そのプロセスが大事だなと思います。
由井:営業においても「お客さまの現場を見なさい」というのはつねに指導してきましたね。
武藤:入社した時の指導者は営業所勤務が長かった人で、「現場でお客さまと一緒に仕事をしている人の意見を聞け」といつも言われました。だから営業所の方の意見を大事にしています。もうひとつは、仕事を属人化しないこと。ツールや仕組みをつくる側は誰もが同じ品質でつくれるほうがいい。今、2人目の産休間近なのでそこをとくに意識してやっています。
松本:加工技術職は自社の製品をお客さまの立場で使う側なので、どこが使いにくいとか、ここが必要とされている機能だとか、そういったユーザー視点を持って関わり続けることが重要だと感じています。また、大事にしているのはアンテナを広げて仕事をすること。担当外のレーザや溶接にも興味を持ち、いろいろな人の声を聴くことで、新しい視点が得られます。そして、開発や営業の人も、みんなが近いところにいるため、チームで仕事をしやすいと感じています。
成田:仲間意識が強いよね。とくにトラブルのとき。
由井:そうそう。すぐに連携する。
岸井:私の仕事はマシントラブルの対処で、とにかくマシンが停止している時間を減らすことです。夜中も連続で稼働するようなマシンが一晩でも止まってしまうと、お客さまのビジネスに影響が出てしまう。応急処置でもよいからとにかく早く動かしたいのか、部品の取り寄せなどで時間がかかってしまっても待てるのかなど、お客さまの状況をよく聞いて、優先順位を付けてスケジュールを組むようにしています。時には修理が長時間に及ぶこともありますが、お客さまから感謝されたときに「やってよかった」と思います。
次代につなぐ夢のマシンを
――アマダのモノづくりは今後どうなっていくと思いますか
由井:入社して間もない頃、大阪で開催された展示会に、アマダが「エスパシオ」という板金加工プロセス改革マシンを出展した時のことを鮮明に覚えています。材料を投入すると、人手を介さずにレーザで切断して、成型して、曲げて…と加工されて製品が搬出される。「アマダが考える21世紀の板金工場」といったテーマのコンセプトマシンでした。それから30数年経過し、あの時の技術者の思いやアイデアの粒が現在の商品を生み出しているのだと思います。現代、DXやAIといったデジタル技術が進歩するなか、あの時のような夢のある商品を生み出し、旋風を巻き起こしていきたいですよね。競合メーカーもたくさんあるなか、つねにアマダはそれら他社の一歩も二歩も先を歩き続けなければならないと思います。
岸井:マシンのNC装置にAIを搭載して、会話ができるようになったらおもしろいですね。「こういう形のものが緊急で1個欲しい」と言ったら AIが考えて図面を引いて切ってくれるとか。マシンが自己判断してエラーが出た機能を自動でオフにできるとか。
成田:おもしろいですね。よくAIによって仕事が奪われると言いますが、AIを活用すれば人間がほかにできることを増やせる、今よりもっと創造的な活動ができる世界になっていくんじゃないかと私は思いますね。
松本:「エスパシオ」は究極の工程間自動化マシンだったわけですが、これから注力すべきはそこだと思います。工程の自動化や複合工程の自動化は進んでいますが、その工程間も自動化していかなくてはならない。モノづくり全体を変えていくようなアイデアを生んでいかないといけませんね。
成田:今まさに、将来を見すえた板金工場のあり方について思案しているところです。まだまだ工場には手作業がたくさん残っている。人間を中心に据えながらも、AIやロボットを活用してもっと効率的かつ自律的に運営できるようにサポートしていかなくてはなりません。マシンという「モノ」と、アマダとお客さまとのノウハウを基盤とした「コト」を掛け合わせたソリューションを提供していく。トヨタさんが「自動車メーカー」から「モビリティカンパニー」への変革を目指しているように、私たちも「マシンメーカー」から進化していく必要があります。
「直販直サービス」だからできること。人と現場に寄り添い100周年のその先へ
――これからの未来に向けて、中堅・若手の社員にはどうなっていってほしいですか
由井:営業はどうしてもモノ売りに走ってしまいがちです。若い頃に上司から「お客さまとのお取り引きを継続するためには、『機械』を売りにいくんじゃない、『信頼』を売るんだ」と何度も教え込まれたことを記憶しています。中堅・若手社員の皆さんには、諸先輩が80年つくり上げてきたお客さまからの信頼をしっかりと継続し、次の100年までつないでいっていただきたいですね。それがお客さまの利益につながり、アマダの利益へとつながっていくのではないでしょうか。
成田:アマダで働く皆さんには、様々なモノづくりに関心をもち、おもしろさを感じてほしいですね。世の中の色々なモノづくりに思いを馳せれば、様々なアイデアが浮かんでくると思います。それが良い商品を生み出す源泉になるんじゃないかな。
――中堅・若手の皆さんはこの先どのようにしていきたいと思いますか。
松本:私は機械が好きでこの会社に入ったので、ずっとマシンの前で仕事をしたいと思っています。そしてお客さまや開発に携わる中で思いついたものをどんどん形にしていきたいですね。それがお客さまの利益にも通ずることだと思います。
武藤:私は引き続き現場の人の話を大切にし続けていきたいと思っています。今、お客さまとのオンライン上の接点となる会員サイトを企画しています。オンラインにすることで、お客さまとアマダのタッチポイントを減らすということではありません。日本全体の人口が減っていくなかで、サービスや営業など人でないとならない部分に注力していくためにも、その必要がないところをオンラインで完結できるようにしていきたい。人との接点がアマダの信頼されてきた部分なので、何が大切かを確かめながら、「人で残していくべきところ」をしっかりと考えていきたいと思います。
岸井:私も松本さんと同じく機械が好きで、工具を持って整備するのが大好きなので、今後もサービスマンとしてお客さま先にうかがっていきたいです。そのなかで一番大事なのは、皆さんがおっしゃる通り信頼だと思います。「あのサービスマンに任せたら直らないんじゃないか」などと思われないように(笑)。お客さまからのご意見は真摯に受け止めて、不備があったら丁寧にご説明し、本社と連携して対応し、信頼関係を築いていきたいと思います。
成田:皆さんにお客さまや仕事に対する共通の想いが根付いているのは、やっぱりアマダの「直販・直サービス」のスタイルが大きいんだと思います。一般的に、開発担当者がお客さまのところに行く機会は限られます。でも私は問題解決やニーズの確認のために、相当な回数お客さまのところにうかがいました。そこには、お客さまから得られるヒントがたくさんあって、それが次の商品につながったりしています。そういったことの積み重ねで、想いが築き上げられてきたのではないかと思います。
武藤:他の企業で企画の仕事をしている友人たちに比べて、やはり私は現場に行かせてもらう機会が多いようです。現場の人やお客さまと距離が近いことによって感じることが、日々の業務に役立ってると感じています。
成田:会いに行けば、企業の規模や業種によって、みなおっしゃることが違う。それがまたおもしろいんですよね。そこから生まれる新しいもの、夢のマシンを今後つくっていくのは皆さんです。楽しみにしています。





