第38回優秀板金製品技能フェア

組立品の部 全55作品

組立218

折りたたみ式もみ殻燃料かまど

  • サイズ: W215 × D230 × H330 mm

  • 精度: ± 0.2 mm

  • プログラム時間: 34 分

  • 加工時間: 15 分/個

  • 加工数量: 1 個

  • 材質: ステンレス(SUS430)

  • 板厚: 1.0 mm

  • 作品種類: 試作品

加工工程

  • 機構の考案

  • 2D/3D設計

  • CAD/CAM

  • レーザ加工

  • 曲げ

  • 組立

アピールポイント

なぜ、金属加工の町工場が「かまど」をつくったのか?答えは、結城市の田んぼにあります。

稲刈り後に生まれる副産物「もみ殻」(お米を包む殻)は、全世界で年間約1億4000万トン、日本では年間約160万トン発生し、今は忘れられた未利用資源です。

これを再び燃料に変えて、理想の火加減を自動で再現できないか?その挑戦から、特許取得済の燃焼構造(特許第7730224号)が生まれました。

外筒・内筒・天板が可燃性ガスを内筒へ誘導し、電子制御無しで「はじめチョロチョロ、なかパッパ」を実現しました。

なぜステンレスか?見た目が綺麗だから?答えはノーです。加熱時の変色を抑え、板厚1㎜で軽量化とコスト軽減を実現しながら、曲げ形状の最適化により耐荷重65kgfを両立しました。

なぜ、溶接を使わず蝶番構造にしたのか?それは、このかまどが展示用の「作品」ではなく、お客様が「持ち運び、組み立て、楽しむ」ための「商品」だからです。

一体成形の蝶番で組立点数を減らし、驚くほど簡単で確実な組立と、コンパクトな収納を可能にしました。

燃えかすは土壌改良材となり、農と工が循環します。

50年の板金技術が地域資源を未来へ繋ぐ挑戦です。