第37回優秀板金製品技能フェア

学生作品の部 全16作品

学生505

優秀賞(学生)

透かし鬼灯

東京都立多摩職業能力開発センター (東京都)

  • サイズ: W510 × D480 × H190 mm

  • 精度: ± 1.0 mm

  • プログラム時間: - 分

  • 加工時間: 1600 分/個

  • 加工数量: 1 個

  • 材質: ステンレス鋼(SUS304)銅(C1100)

  • 板厚: ステンレス鋼Φ0.8〜Φ1.6 銅1.0 mm

  • 作品種類: オリジナル品

加工工程

  • 機構の考案

  • 展開

  • シャーリング加工

  • 溶接

  • 打ち出し加工

  • 表面仕上げ

  • 組立

アピールポイント

溶接経験者なら難易度が想像できると思いますが、3D的に曲げてあるステンレス溶加棒のΦ0.8〜Φ1.6㎜の棒径違いを、TIGで溶接しました。

若く目が良く感覚が研ぎ澄まされている16歳〜24歳の生徒が精魂込めて製作しました。

鬼灯の実の球体部は、半球を2つ作り、あえて溶接をしませんでした。

これは、半球を合わせ溶接すると溶接ビードを研磨することで球体の精度を誤魔化せるためで、あえて溶接せず打出し板金の精度の高さを見てもらうためです。

銅で製作した茎の部分は、枝の枯れ具合の質感を出すために、何度も溶接と研磨を繰り返して、最後に色合いを出すため、緑青を吹かせました。

  • 作品テーマを選んだ理由: 各種金属を使用して、板金工作機械では加工が困難な園芸業界人気の「透かし鬼灯」を製作に挑戦した。繊細で柔らかく自然美と神秘的な「透かし鬼灯」を溶接や手板金の技能を駆使して表現した。

  • 使用材料を決めた理由: それぞれの金属の加工性や溶接性、作品全体の色の対比が効くように作品を構成し材料も決定した。

  • 最も重点を置いた点や箇所: ステンレス溶加棒の各種棒径を使用して自然の葉脈を表現すること。

  • 最も苦労した点や箇所: ステンレス溶加棒のΦ0.8〜1.6mmの棒径違いを、TIGで溶接する際、狙い位置や溶接時間など条件がかなりシビアで少しのミスで溶け落ちてしまうこと。

  • 製作図面から実際に加工してみて気づいた点: 想像を絶するぐらい鬼灯の葉脈の製作が繊細でシビアで、集中力が続かず生徒が疲弊した。