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JMC講師からのメッセージ
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率先垂範-実践行動力をたかめよ
「あたりまえ」の基準(ものさし)は何処にある |
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JMC見学企業 株式会社関東精工
代表取締役会長 増田 秀次氏 |
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『仕事に泣く者は人生に泣く、向上心なき者は去れ』。この言葉を我が社の入口に25年程前より掲げております。今でこそ石碑に刻んで建立してありますが、初めは自家製の看板に自らペンキで書いて立てた粗末なものでした。
この頃、社員は20名程で私は日々営業に飛び回っておりました。お客さまと直に面談していますと、お客さまの要求に応えられる企業にならなければ、関東精工に明日はないとの危機感を強く感じるようになりました。すぐさま私は社内の意識改革をしようと孤軍奮闘し、ことある毎に説いて回りましたが、「そんなことはできないです。無理です」との声しか聞かれず苛立ちと焦燥の日々でした。
そこで私は自らが指揮官となり、建屋の増築や機械の移設、棚や治具の製作、床のペンキ塗り、看板作り等に精を出す日々が続きました。ともに汗を流し、ともに喜びを分かち合ううちに、私は社員はもとより多くの協力者を得ていることに気がつきました。
そんな中で社員の出入りも頻繁にあり、私の負けじ魂に火がつき生まれた言葉が冒頭のものです。この言葉を巡っては、こんなことがありました。ある時、目を掛けていた社員から「社長、入口の看板を外してもらえませんか。お客さまが来られた時に恥ずかしいですし、採用の時にも悪影響を及ぼします」と言われましたが、私はこれを一蹴し、「俺の信念が理解できないならお前が去るべきだ」と。その後、彼には大きな仕事を任せることになりましたが、根っこの所で繋がることができずに成就半ばで彼は去っていきました。
製造業における社員教育は、ややもすると技術指導にのみ目がいきがちですが、私は心の共育が大切だと常々感じております。学問や技術を身につけさせることは教育であり、挨拶や道徳、物事の捉え方や感性を向上させることは、共育であると考えております。マニュアルのない心の共育は、する側にとってもともに自分育てであることに気づかされます。
さて、私たちの身の回りには解決しなければならない問題が山積しているはずです。結論が容易に導かれるものは、「あたりまえ」に解決すべきですが、それすら逃避するものが増えてくると、規則を作ってがんじがらめにしなければ日常業務すら遂行できなくなります。この「あたりまえ」のハードルを下げることなく徐々に上げていくための共育が命題になっているのではないかと思います。より高いハードルを越えた企業こそが、いわゆる、勝ち組として存続できるものと確信する次第です。
2006 招福 戌(いぬ)
狗はよく吠ゆるを以て
良とはなさず
人はよく言うを以て
賢とはなさず
荘子 |
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