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JMC修了生を訪ねて

今年度のJMC修了生を訪ねて 
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後継者は義理の息子
JMCで見えてきた将来像
 
株式会社 丸賀 川上隆一氏
株式会社 丸賀
川上隆一氏(JMC92期)
 「モノづくりへの挑戦とこだわり」「社会への貢献」をモットーとする重南和男社長を中心に成長を遂げてきた丸賀。しかし、将来の後継者は空白だった。2人の娘さんを嫁がせた後、重南社長の心には自分1代でこの会社は終わってしまうのかという寂しさがあった。
 そんな思いを察して、義理の息子となった川上隆一さんが後継者となるべく入社した。モノづくりの楽しさはすぐに実感できたが、経営者になるということは漠然としか捉えられなかったという川上さん。その意識が大きく変わったのがJMCでの22日間だった。その後も真摯な努力を続ける姿に、次代を担う後継者として期待が高まっている。
本社 神奈川県横浜市都筑区池辺町4603
TEL 045-934-2462
設 立 1980(昭和55)年
代表者 重南 和男
社員数 8名
事業内容 ステンレス厨房機器・水質環境浄化装置製造、厨房機器搬入据付工事
e-mail maruka-sus@deluxe.ocn.ne.jp
 

無理しても思い切って参加してよかった

 実は川上さんは1度入社の誘いを断っている。しかし、重南社長の気持ちを思い、また自らのやり甲斐を考えて転職を決意。丸賀に入社したという。
 モノづくりの仕事は初めてであり、職場の先輩に一から教えてもらってのスタートだった。重南社長は「基本がわかれば後は自分で考え工夫していくことが大事」と見守った。1枚の板からモノができていくことに感動した川上さん。興味が意欲になり、次々と仕事を覚えていった。レーザ加工機を導入した時も率先して研修に参加し、マスターした。
 そんな頃、重南社長からJMCの受講を勧められた。「いまの自分には会社を背負っていくだけの器量がないのだから、行かなければならない」と、川上さんは二つ返事で了解した。
 しかし、すでに大きな戦力として活躍していたので、22日間も抜けるというのは大変な痛手となる。留守中の段取りが整わず、1度は受講を見送った。次の開講が迫っても、仕事の手を空けることはできそうもない。「これではいつまでも受講できないから思い切って行ったほうがいい」という重南社長の英断で、参加を決めた。
 職場の大変さがわかっているだけに、申し訳ない気持ちでいっぱいだったという川上さん。前期と後期の間に会社に戻った時は、たまった仕事を徹夜で片付けた。
 それでもJMCを受講してよかったと心から思っている。

自信がついたJMC 積極性が身につく

  「先を見てモノづくりを考えないといけない、お金が入ってくるように考えることが必要など、JMCで学んで社長が1人でやってきた経営の大変さがわかってきました」(川上さん)
 JMCでは最後の課題として受講生に自社のPRをしてもらう。企業としての強みをしっかり把握してアピールできるようにすることが目的である。この課題で受講生はJMCで学んだ新たな視点で自社を見直し、自分の言葉で伝えるコミュニケーション能力を培う。無口な性格と将来の立場を考え、「人前で話ができるようになること」を自らの課題に掲げていた川上さんは、一番頭を悩ませたという自社PRに、外部との共同研究で開発したクーリングタワーの殺菌・殺藻装置を取り上げた。重南社長の努力が結実した製品である。川上さんの熱い思いがあふれ、説得力あるPRとなった。
 こうした経験を通して仕事にも自分自身にも自信が生まれてきたという。そしてJMCの修了式では、自ら立候補して受講生を代表して答辞を述べるまでに変身していた。さらに「何事も経験」と積極的に取り組むようになった。その姿は重南社長の目にも「やる気がある、欲が出てきた」と映り、高く評価されている。

内外の仲間の信頼を得られる存在に

  「肩書きではなく、自分の努力で周りの人をついてこさせるようにするべき」と考える重南社長。川上さんも「先輩から『社長は皆が残業している時には必ず残って付き合ってくれた』という話をよく聞きます。いまの社員は皆、そういう社長を信頼してついてきた人たちなんです。自分も社長のように信頼してもらえる存在になり、よい自社製品を開発・製造していきたい。まずは率先して仕事をし、工場のことは任せてもらえるようになることが目標です」と意欲的だ。JMC修了後、積極的にいろいろなことを吸収している川上さんに先輩社員が相談に来ることも増えたという。
 重南社長はその様子を頼もしげに見ながら、「彼なら大丈夫。周囲の人に信頼される後継者になってくれると思います。その努力をしていますよ。JMCの参加はよいきっかけになりました」と語っていた。
人材育成情報誌『板金大学』2006年5・6月号より
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