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JMC修了生を訪ねて

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父から子へ継承されるJMC魂
さらなる発展と成長を目指す
 
名知康利氏 名知龍児氏
株式会社日洋工業
代表取締役社長名知康利氏
(JMC17期)
管理部主任 名知龍児氏
(JMC80期)
 「日本はもちろん環太平洋で1番になる」ことを目標に設立された日洋工業。社名の由来でもある。創業以来、情報機器の板金製作を主軸に企業の地歩を固めてきた日洋工業の技術対応力に対する評価は高い。創業者の名知 義会長も愛知県精密板金工業会の設立に参画して業界発展に尽力してきており、現在では、板金加工業界の名門企業としてその地位を不動のものにしている。
 その日洋工業を牽引するのはJMC17期生の名知康利社長。そして後継を目指す名知龍児さんもJMC修了生。親子2代のJMC修了生が主軸となって、新たな飛躍に向け邁進する。
本社 愛知県安城市城ヶ入町団戸173-5
TEL 0566-92-2273
設 立 1971(昭和46)年6月
代表者 名知康利
社員数 63名
事業内容 コンピューター機器部品・筐体組付、複写機・電子機器・産業機械部品の製作
e-mail nachi@nichiyo.com
 

就任して初めて実感社長は孤独な存在

 「社長の息子だからといって、次の社長に決まっているわけではない。自己の努力で研鑽したうえで周囲に認められたときに初めて次期の社長候補となるのです。それだけ経営者の責任というものは重いものがある。それを理解してほしかったからこそ、息子をJMCに送り出したのです」と語るのは名知康利社長だ。
 そう語る名知社長も20年前、創業者であり、義父でもある名知 義会長にJMC受講を奨められた修了生である。
 日洋工業は1971(昭和46)年の創業以来、名知会長のリーダーシップの下、全社員一丸となって事業を発展させ、成長を遂げてきた。名知社長も名知会長の下で経営ノウハウを学びつつ、後継の道を歩み、1997(平成9)年社長に就任、現在に至っている。
 「社長になってまず実感したのは、社長とは実に孤独な存在だということでした」(名知社長)
 人間誰しも悩みがある。社長とて例外ではない。しかし、社長が会社や仕事の悩みを部下に話すことは厳禁である。表情にすら出せない。社長の言動や表情で社員が不安になり、会社の機能がうまく働かなくなるからだ。社長は1人で悩み、自ら解決策を見出していかなくてはならない。そうした経営者の心構えを教えてくれたのがJMCであった。
 「社長という立場になってから、折にふれてJMC受講時の教えがよみがえり、活きた教訓となることが多々ありました」と語る。
 自分が歩んできた道と同じ道を歩もうとしている息子に対して、名知社長は迷わず、JMC受講を奨めた。たくさんのいい思い出のある自分の母校に息子も通わせたい、そんな親心の発露でもあった。

父の期待を背に試練に挑む

 名知社長の思いを受けて、長男の龍児さんがJMCを受講したのはいまから4年前の2001(平成13)年、24歳のときである。
 「一番変わったのは自分の気持ちです。受講前はただ漠然と父の後を継ぐのかなとしか、考えていませんでしたが、受講後はその気持ちが強く確固たるものに変わっていた。講師の方、同期の仲間が私の心を大きく動かしたのです」と龍児さんはJMC受講の思い出を語る。
 そんな龍児さんの変化を、名知社長も肌で感じている。ただ、まだまだ大きくなってもらいたい、なってもらわなければ社長にはなれないという思いが強い。もっと負荷をかけて、成長を促し、周囲に認められる存在になってもらいたい。かつて自分が乗り越えてきたように、息子にもまた試練を与えている。
 現在龍児さんの役職は管理部の主任である。主な業務はメイン取引先の営業担当と社内の管理業務。取引先・社内半々の多忙な日々を送っている。かつて名知社長が経験した業務でもある。これに加え、龍児さんはISO14000取得の管理責任者にも選任され、来年1月の取得に向け、準備作業に取り組む毎日だ。
 「仕事量が増えても“できません”とはいえません。“できない”という言葉は社内では禁句です。与えられた課題を確実に一つひとつ成し遂げていくことが重要だと認識しています。課題をクリアすることが自信にもつながり、また社長をはじめ周囲の見方も変わってくるはずです。いまは誰よりもたくさんの仕事に取り組み、そしてさらに信頼されるようになりたい。それが自分が経営者に近づく一歩だと考えています」と、龍児さんはいまの意気込みを語る。JMCで芽生えた後継への強い自覚が、強い意志へと変革したことがわかる言葉である。
人材育成情報誌『板金大学』2005年9・10月号より
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