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JMC修了生を訪ねて

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『やって見せ、いって聞かせて、させて見て、ほめてやらねば、人は動かじ』
JMC修得の言葉がいま活きる
 
株式会社 難波製作所 難波博繁氏
株式会社難波製作所
難波 博繁氏 (JMC66期)

 30年前、難波 博社長と難波良雄専務の兄弟ふたりで創業した難波製作所はいま、第二世代の幕開けを迎えようとしている。それぞれのご長男である、製造部長の難波博繁さんとベンディング担当の難波 徹さんが現場の実践力となり新たな展開が見えてきたためだ。従兄弟の間柄ともなる博繁さんと徹さんは、ともにJMCの修了生。板金加工の現場でひかりかがやくJMC修了生の姿がここにもあった。

株式会社 難波製作所 難波徹氏
株式会社難波製作所
難波 徹氏 (JMC88期)
本社 新潟県長岡市福道町字前田804
TEL 0258-27-5161
創 業 1973(昭和48)年10月
設 立 1978(昭和53)年5月
代表者 難波 博
社員数 49名
事業内容 精密板金加工、レーザー加工、SUS・アルミ溶接加工
URL http://www.nanba-ss.co.jp
 

絶妙のコンビネーションで現場をまとめる

 開口一番、「いまの立場になってJMCの教えが本当に身にしみて実感としてわかるようになってきました」と語るのは製造部長の職にある博繁さん。工場を統括し、製造現場の第一線に立つ。なかでも部下をもつようになって痛感したのが、リーダーとして人を動かす難しさだという。創業と異なり、後継は組みあがった組織のなかで自己のポジションを自分の力で広げていかなければならない。それゆえの悩みである。しかしながら博繁さんにはJMCでの得がたい知識・経験があった。
「リーダーのあり方、社員の指導方法などを学んだのですが、山本五十六の『やって見せ、いって聞かせて、させて見て、ほめてやらねば、人は動かじ』の言葉が心に焼き付いています。折にふれてこの言葉を心のなかで反復し、意識して実践するようにしているのです」(博繁さん)
 4年前から高校の新卒者が入社するようになり、現場の若返りも進んでいる。今後の貴重な戦力となる10代、20代の若者のモチベーションを上げ、いかに動かしていくか、博繁さんが最も留意している点だ。
「現場に不満があると品質の悪い製品がでてきてしまう。不満をもたせず、意欲を引きだすには、日常のコミュニケーションが重要です」
 そう語る博繁さんも30代になり、20代前半の若者とは多少のジェネレーションギャップを感じるようになった。そのギャップを埋め、博繁さんと現場の若手社員とのよきパイプ役となっているのが、徹さんだ。徹さんは博繁さんより5歳下の25歳。3年前にJMCを修了した。博繁さんとの絶妙のコンビネーションでモノづくりを推進する。

息子たちへの期待は守りではなくチャレンジ

「現場に入る前にJMCを受講しておいたことがよかった。22日間にわたるJMCでの体験がなかったらいまでも試行錯誤の連続だったのではないか。目標がしっかりと定まり、自分の成すべきことが明確になったことが最大の収穫です。自分から積極的に会社を盛り立てていこうと考えるようになり、受講前と明らかに意識が変わりました」(徹さん)
 いまは製造部でベンディングを担当、将来的な板金加工の高度化を視野に入れて、技術・技能の習得に取り組む毎日だ。
「会社が成長するには皆が一緒の方向に向くことが必要です。そのためにも社員全員が共感し、協働できる理念・目標をつくり上げていきたいものです」と博繁さん。これからの会社を支えていく自分たちの課題を語る。
 難波社長と難波専務も2人にエールを送る。「守りに入らず、旺盛なチャレンジ精神で攻めの姿勢を貫いてもらいたい。そのためにはブレーンとなる人づくりが大事だ」(難波専務)、「これまでは常に顧客第一にチャレンジを続けてきた。この精神は大切にしてほしい」(難波社長)
 後継のパターンは一様ではないものの、後継を託す側、受ける側とも企業を永続的に発展させる強いおもいは同じである。とくに次代を担う者にとって後継は絶対に失敗を許されない緊張感に満ちたものだ。同じ環境に身を置く若者がともに学ぶJMCは、なにものにも代えがたい知識と心の糧を博繁さんと徹さんに残したようである。
人材育成情報誌『板金大学』2005年5.6月号より
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