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JMC修了生を訪ねて

 
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率先垂範、実践第一で
新規顧客の拡大に尽力
 
有限会社遠藤産業 遠藤氏写真
有限会社 遠藤産業
常務取締役
遠藤 弘樹氏(JMC第68期)
 遠藤産業の創業は1976(昭和51)年。機械工具の卸売販売からスタートしてその後は徐々に板金加工に移行、現在は機械部品、建築装飾品、モニュメント・オブジェなどの製作を行っている。
 今回、登場していただく遠藤弘樹常務は、入社6年目。いま営業の最前線で活躍する遠藤常務に、JMCの思い出、また工場を統括する兄の遠藤専務との新たなステップアップの試みなどをお聞きした。
本社 徳島県阿南市才見町田中27番地
TEL 0884-23-3255
創 業 1976(昭和51)年3月
設 立 1989(平成元)年1月
代表者 遠藤 和則
社員数 16名
事業内容 自動車・音響関係などの機械部品およびカバーなどの精密板金
URL http://www.endohsangyoh.co.jp
 

JMC講師の方々の忘れがたいことば

 遠藤常務と兄である遠藤専務は、小さい頃から兄弟が両輪となって後継していくことを強く意識していただけに、遠藤常務の進路も、将来を視野に入れた選択をすることになる。高校卒業後の経理の専門学校への進学がそれである。遠藤専務が加工現場を統括していくということが前提としてあったためで、経理面からのサポートを本人が希望し、また周りからも期待されたからであった。
 専門学校を卒業後、機械卸売会社で営業に従事。1998(平成10)年4月に遠藤産業に入社する。
 JMCの受講は入社まもなくのこと。戦力外のうちに、という社長の業務命令であったが、新しい人とふれあうことが大好き人間と自称する遠藤常務にとって、受講に対する抵抗感は全くなく、逆にJMCという未知の体験に興味をかき立てられたという。
 「JMCでの印象の一番は、講師やインストラクターの方々です。いわゆる先生と生徒という関係ではなく、仲間として接してくれる。経験を積んだ人が、私たちと同じ立場に立ってアドバイスをしてくれる、という雰囲気がよかった。決してきめつけや押しつけをしない。当時、私は税理士の資格取得を目指していましたが、その取得へ向けてある講師の方に個人的に相談に乗っていただいた。そのときも、もっている知恵や知識を惜しみなく与えてくれる。求める人に対するその真摯な姿勢は、忘れることができません」
 もうひとつ、講師の方々から共通していわれた忘れがたいことばがある。JMC体験を社内で具現化していく前提として、『人を動かすのではなく、まずは自分が率先して動き、実践していくこと』。受講以前、人を動かすための段取りや方法を模索していた遠藤常務にとって、このことばは印象的だったという。
 「自分が率先して動けば、周りも動いてくれる。自分なりにそれを実践してきたいまだからこそ、そのことばの重みがわかります。そうした私の姿勢を認めてくれたのでしょうか、ふだんは余り口出しをしない社長から、一番に出社して工場の空気を入れ換えておけ、といわれました。率先してやることはいくらでもあるよ、という社長なりの配慮だったのでしょうね。社長も講師の方々も同じことをいっているのだなと、とそのとき痛切に思い知らされましたが、今後もこのことばは私の信条となっています。」

従来の枠にとらわれない、新たな営業活動を目指す

 JMC受講後は約2年間、レーザー加工部門のほかに数工程の加工現場を体験。その後、AP100による図面展開を担当して、約1年前からは営業活動に従事している。いま、営業を主体に活躍する遠藤常務が最も心を砕いているのが、よりステップアップを図るための新規顧客の拡大である。
 「専務ともよく話すのですが、私たちに求められているのは従来の枠にとらわれない新たな分野に目を向けていくこと。新規顧客の拡大も、ただ単に売上げを伸ばすためだけではなく、例えば加工技術の革新など、加工現場のチャレンジ精神をかき立てるような仕事を受注しなければならないと思っています。いま顧客獲得のために全力投球をしているのが、DVD関連の部品加工。これは徐々に実を結びつつありますし、建築板金(モニュメント・パネル)への参入も、私が手がけたものです。」
 実はモニュメント・パネル加工への参入は、遠藤常務の強い想いから実現したものである。モニュメント・パネルは、店舗のハザード部分の装飾品として加工した製品を目の当たりにすることができ、部品加工では味わうことができない作り手の喜びと満足感が得られるからであった。それが仕事に対するモチベーションとなって結実し、好循環が生まれることになる。
 他にも、加工現場のモチベーションを高めるいくつかの取り組みが進行中である。
 新入社員は最少年齢の社員より下の世代を採用することもそのひとつ。何よりも若い世代は対応力・吸収力が優れていること、また若い力を注入することによって、その上に立つ社員の向上心と責任感を培うことが、その大きな狙いである。ちなみに、工場長(43歳)を別にして、最年長の社員は34歳。まさに同社のモットーである『若い力でステップアップを図っていく』という取り組み姿勢をうかがうことができる。
 もうひとつは、加工技術のピンポイント化(専門化)への取り組みである。
 「溶接がその典型ですが、加工技術は人によって得手・不得手、あるいは適・不適がある。このため個々の社員の得意・適応技術を勘案して、一つの技術に特化・専門化させていく試みが進行中です。個々が自身の得意技術を習得すれば、努力成果と目標設定も高度になり、モチベーションも高まるとともに高品質の製品をお客様に提供していくことが可能になる。ぜひ実現したいものです。」

夢は、現在の規模を3倍に拡大すること

 遠藤常務の夢は、「社長が一代で築き上げたいまの会社を、兄の専務とともに3倍の規模に拡大していくこと」。そのためには、今後の展開を明確にすることが必要との認識に立っている。
 「今後の展望に関しては、私はDVD関連部品や建築モニュメントを主体とした営業窓口の拡大を、また専務はより高精度な部品加工を視野に入れるなど、社長、専務、私と、それぞれの思惑があります。現在、三者の間で討議し検討を繰り返していますが、現段階ではその答えはでていません。というのは、新しい分野の参画に当たっては、新規機械の導入が必然的に求められるでしょうし、そのためには現在の工場スペースの問題もあり、新工場の立ち上げから考慮しなければならないからです。今後の展望を絵に描いた餅にしないためにも、情報収集するなど三者三様、それぞれが志向する方向性をリサーチ中です。しかし、売上面から見ると特定の企業1社に約5割強を依存しており、その依存率を引き下げていくことが、早急な課題と思っています。」
 夢の実現に向けて人一倍努力することはもちろんのこと、自身に、また社員の持つ力量に自信を持つこと。逆に自信を持たなければ、夢に立ち向かうこともできない、と結んでくれた。
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