第36回優秀板金製品技能フェア

学生作品の部 全23作品

学生502

学生作品の部 銅賞

特別奨励賞

玉山水

東京都立多摩職業能力開発センター (東京都)

  • サイズ: W440 × D440 × H265 mm

  • 精度: ± 1.0 mm

  • プログラム時間: 300 分

  • 加工時間: 1600 分/個

  • 加工数量: 1 個

  • 材質: 軟鋼(SPHC)銅(C1100)

  • 板厚: 軟鋼3.2t 銅1.0t mm

  • 作品種類: オリジナル品

加工工程

  • 機構の考案

  • 展開

  • シャーリング加工

  • 溶接

  • 打ち出し加工

  • 表面仕上げ

  • 組立

アピールポイント

国内外から多数の作品が出展されるフェアのため、日本らしい作品を出展にしたいと思い、枯山水をモチーフにした「玉山水」の作成を決め、作品のテーマを「水」と決めました。

いもハンマー等を使って手作業で銅板を叩くと加工硬化を起こすので、バーナーであぶり柔らかくして、また叩く、これを約3日繰り返してすごく深い半球体の打出しをした。

また、半球体の端部もテーマの「水」をイメージできるよう波模様に切断しました。

枯山水の「岩」の配置は、「水」と関係が深く、世界的に有名で、知名度が高く神秘的な意味を持つ「北斗七星(ひしゃく)」の星の位置を参考にすることで、神秘的な枯山水の世界観を持たせ、より本物の枯山水に見えるようにしました。

枯山水の「砂利」は、溶接ロボットの正確性を活用して、溶接条件等を試行錯誤して位置データを1つ1つ教示してロボットに記憶させて「砂利」の円弧や直線の波紋を再現しました。

  • 作品テーマを選んだ理由: 生徒が溶接練習をおこなっている際、溶接ビードが「枯山水の砂利」のように見えたため、金属で自然の岩や石を表現し球体の中に浮いている日本庭園「玉山水」を製作した。

  • 使用材料を決めた理由: 「枯山水」の部分は、当科の溶接ロボットが対応できビード外観が良い、軟鋼を選択した。半球体については、いもハンマー等の手工具を使用して打出し加工を行うため、柔らかく伸びの良い「銅」を選択した。

  • 最も重点を置いた点や箇所: 「枯山水」の重要な「岩」の配置は、「枯山水」と「水」のイメージでつながりがあり、世界的に有名な「北斗七星(ひしゃく)」の星の位置を参考にすることで、神秘性を持たせより本物の枯山水に見えるようにした。

  • 最も苦労した点や箇所: 個人の技量に大きく左右されカン・コツが必要な手作業での巨大な半球体の打出し作業を行う際、生徒は始めてやる作業で、ガムシャラに銅板を叩いていたところ凹凸が酷く、平滑に「ならす」作業に大きく時間を割いた。

  • 製作図面から実際に加工してみて気づいた点: 普段やらない手作業での巨大な半球体の製作のため、加工前の板取寸法と材質による伸びや生徒の叩き方により、出来上がり寸法等に大きな差異があった。